ITコンサルタントは、企業にとって本当に必要か?
「ITコンサルタント」という職種があり、どんなサービスを提供してくれるのか、企業の情報システム部やIT業界に関わる方であればご存知でしょう。また、コンサルティングサービスに支払う報酬単価は、SEやプログラマーと比較して一般的に高単価となります。本記事では、高単価の報酬を支払ってでも、企業にとってITコンサルタントが必要か否かを掘り下げて考えてみたいと思います。
1.ITプロジェクトの段取り
ITプロジェクトの段取りを概要レベルで述べさせていただきます。
1.一般的なITプロジェクトの進め方
一般的なITプロジェクトの進め方とは。今回、「ERP導入により業務の効率化・ITの刷新をウォーターフォール型で推進するプロジェクト」を実施する場合を例に、工程の概要を述べさせていただきます。 上図のように❶~❻の工程に分けることができ、工程の呼称は違っても、読者の方々はなんとなく想像いただけると思います。プロジェクト推進にあたっては、工程ごとにマイルストーンを設定し、進捗や品質・コスト・スコープなどを日々マネジメントすることを重要になります。 では、各工程でどのようなタスクを実施していくかを次章で見ていきましょう。
2.各工程のタスク例
以下を例にご自身が担当するプロジェクト特性と合わせて、具体的なタスクをご想像ください。
3.トラブルケース
よくあるトラブルとして、以下のようなケースをしばしば聞くことがあります。読者の皆さんもご自身が経験されたことや、周囲で起きたことを聞いたことがあるのではないでしょうか。 ・コストが大幅に超過した ・スケジュールが遅延して本稼働日を後ろ倒しにした ・いつのまにか、手段が目的と化してしまっていた(IT実装はあくまでも手段であり目的ではない)
2.ITコンサルタントの必要性の検討
端的に言うと、前述タスクが社内人員で実行できるのであれば、ITコンサルタントは不要ですし、そうでなければ、外部のITコンサルタントを利用することは有益と言えるでしょう。 また、トラブルが発生するリスクを企業内人員で管理できるか否かも、ITコンサルタントを利用するか否かの判断材料になります。
1.ITコンサルタントには分野がある
前述したフェーズにより、どのフェーズを得意とするITコンサルタントが必要か変わってきます。ここでは、例として、「ビジネスアナリシス」・「ITソリューション」・「プロジェクトマネジメント」という3つの分野で、どのフェーズにどのようなITコンサルタントのアサインをするのかをイメージとして、下図で述べさせていただきます。 また、各分野でITコンサルタントの必要性を検討するひとつの目安として次章をご覧ください。
2.自社状況チェックリスト
ご自身が担当するプロジェクトにおいて前述した3つの領域毎に、自社の力量がどのような状況か、以下のようなチェックリストを用いるのも一つの判断基準になると思います。 ※チェックリストのダウンロードはこちら
3.コンサルタントの必要性判断
さて前章のチェックリストの結果はいかがだったでしょうか? 定量的な判断基準を見出すことは困難ですが、少なくとも ・“何が自社だけでは賄えない” ・“ITコンサルタントの力を借りたほうが良い” という切り分けの材料になるのではないでしょうか。 また、違った切り口では、 ・“自社でITコンサルタントと同等のスキルを習得すれば、何も問題ないのでは?” という考え方もあると思います。そのような考えもあって当然と思いますが、ITコンサルタントと同等のスキルを前述した分野で習得するには、相応の時間とコストがかかります。 また、 ・"社員は固定費になる" ということも忘れてはいけません。いうなれば、高い報酬を支払ってでも、ITコンサルタントを利用するということは、 ・“時間をお金で買う” と言ってもよいかもしれません。
3.まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。 IT無くしてビジネスを進めることが困難な時代になってきている現在、複数のITプロジェクトが同時並行的に推進されることも珍しくありません。また、技術変化が激しい現在では、豊富な知識と経験をもったITコンサルタントを利用することで、結果的にトラブルが発生するリスクを低下でき、プロジェクトを成功させる可能性を上げられるのではないでしょうか。 当記事がコンサルタントを利用するか否かの判断材料のお役にたてば幸いです。
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