いつでも、どこでも、無料で学べる教育サービス「MOOC」を知っていますか?~今すぐ利用できるMOOCプラットフォーム7選~
「通勤電車の中で1時間、専門的な勉強ができたらいいのに…。」 キャリアアップのために専門的な勉強をしたくても、仕事があって大学に通えない、仕事を辞めるわけにもいかないと悩んでいる人は意外と多いはず。 しかし、もし通勤電車の中で、休憩時間で、はたまたいつものカフェで、無料で専門的な勉強ができる環境があるとしたらどうでしょうか? 今回は最近注目されているeラーニングの中でも、「無料で、いつでも、どこでも、だれでも学べる」MOOCについてご説明をしつつ、今すぐ利用できるMOOCのプラットフォームをご紹介したいと思います。
1.MOOCとは
MOOCとは、「Massive Open Online Course」=大規模公開オンライン講義の略称で、日本語では主にムークと呼ばれます。大学などの高等教育機関がオンラインで開講しているコースのことで、主に講義が映像コンテンツとして配信・公開され、※現在では世界各国3,000人以上の登録者がいるとされています。受講生は週5~10時間ほど受講し、試験を合格すれば単位を取得したことを証明する修了証を入手することができる場合もあります。2013年には東京大学もMOOCに進出したことが有名です。 ※東京大学調べ(https://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/mooc_j.html) 現在、働き方改革によりフリーランス化やリモートワークなど柔軟な働き方がしやすい環境の整備が進められています。MOOCは自分の生活にあった方法での学習が可能なため、柔軟な働き方との親和性が高く、今後はより重要な学習機会として注目されていくと考えられます。
1.MOOCの受講料
基本的なコースの受講料は無料です。一部講義はフリーミアム制度を取っており、基本コンテンツは無料で修了証の発行や成績評価といった付加価値の高いサービスを有料化しています。そのため、専門的な知識が学べれば十分という方は無料でも問題なくサービスを利用できます。
2.MOOCの受講環境
3.MOOCのメリットとデメリット
大学などの教育機関に通わず、オンラインで受講できることのメリット・デメリットは様々です。 メリット ・時間や場所を選ばないため、どんな人でも自分の生活に合わせて受講できます。 ・基本的には無料のため、学費の負担を考えることなく受講できます。 ・大学による公式の修了証を取得することができるため、キャリアの一部として活用できます。 ※修了証の発行は有料のことが多いです。 ・様々な分野の最新の知識を学ぶことができます。 デメリット ・利用者は仕事を含めた何かしらの事情を抱えている方が多いため、勉強を最優先にするモチベーションを保ちにくいです。 ・無料での学習のため、有料での学習に比べモチベーションを保ちにくいです。 メリットもデメリットも様々ですが大きな特徴としては、学習のモチベーションさえ高く保つことができれば自分の生活にあわせた学習が可能ということがわかります。
4.MOOCでのモチベーションの保ち方
では、MOOCで学習するにあたってどのようにすればモチベーションを維持することができるのか。 1年間MOOCでの学習を経験した筆者より、効果的なMOOC向けのモチベーション維持方法をいくつかご紹介します。 計画:「自分ならどうすれば続けられるのか?」を組み立てる 評価:「自分は今どれだけできているか?」を振り返る 応用:「どうやったら自分の生活に活きるのか?」について考える ・計画:「自分ならどうすれば続けられるのか?」を組み立てる MOOCにおいて、勉強の計画化は欠かせないプロセスの一部となります。 MOOCを始める前には5Wを使って、自分に合ったMOOCの学習計画を具体的に立てることをオススメします。 ・WHY-なぜ勉強するのか? まず、計画において最も大切なのがMOOCで勉強する目的・目標を決めるというプロセスです。目的・目標に沿って計画を立てていきましょう。「何のためにMOOCで学習するのか?」を明確にして、常に意識すればモチベーションも維持しやすくなるはずです。 ・WHAT-何を学ぶのか? カテゴリーが様々あるので、難しすぎないレベルで興味のあるトピック選びをすると楽しみながら勉強できます。 ・WHEN-いつ勉強するのか? 通勤電車の中、休憩時間、週末の午前中など自分が無理なく勉強できる時間にMOOCを習慣化することができれば継続しやすくなります。 筆者としては、スケジュール管理アプリを使って毎日または毎週の予定として時間を確保すると、グッと継続率も上がります。 ・WHERE-どこで勉強するのか? カフェやオフィス、自宅など自分の一番集中しやすい場所を選びましょう。 ・WHO-だれの(どこの)提供するトピックなのか? トピックを提供するプラットフォームや教育機関は様々です。特に、MOOCでは英語での授業も多くあるため、提供元のプラットフォームや機関にある程度の目星をつけてから学習を始めると学習を始めてからのイメージのギャップを感じにくくなります。 ・評価:「自分は今どれだけできているか?」を振り返る 筆者の経験では、MOOC学習で最も大切なプロセスが、この自己評価になります。 計画を立てた際には、この評価のプロセスも是非スケジュールに確保したいところです。 評価の際には、自分の立てた計画通りに学習が進んでいるかを振り返ることをオススメします。 目的・目標を確認して、振り返った内容をもとに自分に合った学習スタイルを調整していきましょう。 また、インプットだけでなくアウトプットによる学習も効果的であるため、ブログやSNS、または勉強会など学んだ内容のアウトプットをする機会を設けるとモチベーションを感じやすくなるかもしれません。 ・応用:「どうやったら自分の生活に活きるのか?」について考える これも筆者の経験にはなりますが、学習した内容が仕事や生活の場面で役立つとやはり嬉しいものです。 自分の学習した内容が生活のどのような場面で活きるのかを具体的に考えると、知識としてだけでなくスキルとして身につきやすくなります。
5.MOOCを受講する流れ
MOOCの受講は、期間・頻度を週1回の講義を3週間のように自ら調整することができますが、基本的には ・オンライン受講 ・テスト ・修了証の発行 という流れで受講することができます。 さらに、受講者同士のコミュニケーションや意見交換を目的としたコミュニティ・フォーラムが開設されていることもあります。
2.MOOCのプラットフォーム
MOOCで提供している講義のほとんどは映像により配信を行っており、配信のためのWebサイトはプラットフォームと呼ばれています。 下記に様々なプラットフォームについて、代表的なものをご紹介していきます。
1.世界中で使われている代表的なプラットフォーム
・Coursera(https://www.coursera.org/) スタンフォード大学、ミシガン大学、プリンストン大学や東京大学などの世界を代表する大学やGoogleやIBMなどの一流企業が世界最高峰の講義を提供しているプラットフォームです。「コンピュータサイエンス」「医療・医学・生物学」「社会・ネットワーク・情報」「人文学・社会科学」「数学と統計学」「経済学・金融学・経営学」など多岐にわたる分野において、2,000以上の講義を提供しています。映像コンテンツや演習問題だけでなく、有料で修了証の交付も行っています。幅広い分野を学習したい方にはオススメです。 ・edX(https://www.edx.org/) ボストンのMITとハーバード大学によって設立されたedXは、無料で最新のコースを提供するプラットフォームで、MITとハーバード大学の他に、カリフォルニア大学バークレー校、東京大学、京都大学などが講義を提供する。edXでは配信にとどまらない、より交流型のプラットフォームへの進化を見据えています。こちらも有料で修了証の交付を行っています。主には科学と医療分野を学習したい方にオススメです。 ・Udacity(https://www.udacity.com/) Google、Nvidia、Autodeskの他に、Facebookやsalesforceも参加しているMOOCプラットフォームです。コンピュータサイエンスや数学の分野に特化しており、AI・ディープラーニングやアルゴリズムなどをテーマとした高度な内容の講義が多く行われています。専門家向けの職業教育に重点をおいており、「技術未経験者」「初級」「中級」「ベテラン」の4段階に分かれてコースが用意されているので、自分の能力にあわせてスキルアップすることができます。ビジネスパーソン向けの仕様になっており、仕事に必要なスキルの獲得を目指したい方にオススメです。 ・Futurelearn(https://www.futurelearn.com/) 2012年12月に、イングランドのミルトン・キーンズにあるオープン大学が完全に管理する会社によって設立されたMOOCプラットフォームです。大英図書館や大英博物館などイギリスを中心に世界各国の40か所以上からの講義を受講することができます。受講者同士の意見交換やコミュニケーションに積極的で、100万人以上の受講者と交流ができます。イギリス英語での受講や長期的な受講を考えている方にはオススメです。 筆者が主に活用しているサイトですが、多くの講義が長期期間であるため、ある程度継続的に学習をしたい方には向いています。また、配信コンテンツも映像だけでなく記事やディスカッションなど様々であるため、比較的よくコースのバランスがとれています。 ・MOOEC(https://mooec.com/courses/elementary-english-course) オーストラリア発の英語の学習に特化したサイトです。初級者から上級者まで対応したレベルの講座があり、自分にあったレベルからの受講が可能です。1講座/1レッスンとなっているため、短いプログラムで受講できます。自分のペースで、英語のリスニング・スピーキングのスキルアップをしたい方にオススメです。
2.国内におけるMOOCのプラットフォーム
・JMOOC(https://www.jmooc.jp/) 「gacco」「OpenLearning,Japan」「OUJ MOOC」「Fisdom」の4つのプラットフォームまとめるポータルサイトの役割を果たしているサイトです。一部オプションは有料ですが、修了証の取得まで無料で受講することができます。「歴史」「統計学」「プログラミング」「心理学」など幅広いジャンルの講義に加え、「簿記」や「宅建」などの資格に対応した講座もあります。幅広いジャンルから自分の関心の強い分野の専門性を伸ばしたいという方にオススメです。 ・Schoo(https://schoo.jp/guest) プログラミングやWebデザインといったWeb業界で働く人、働きたい人向けのオンライン学習講座を提供するプラットフォームです。Webスキル以外にも、Photoshopなどのデザインからビジネススキル、リーダー研修やプロジェクトマネジメント研修まで、仕事に役立つ講義も数多く行われており、その分野で一流の講師がそろっています。Web業界のビジネスパーソンには特にオススメのプラットフォームです。
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