ブランド価値を経営目標に位置づけ、グローバルでさらなる飛躍へ。~味の素~

国内の事例紹介

コーポレートブランドAJINOMOTO独自の戦略的取り組み「ASV」。 「事業活動」「社会価値」「経済価値」の循環モデルが、企業のサステナブルな成長を実現していく。
2017年2月、AJINOMOTOは「ASVを通じたサステナブルな成長の実現」と題した新中期経営計画を発表し、「コーポレートブランド価値向上」を目標の一つに掲げました。「ASV」とは「Ajinomoto Group Shared Value」の略で、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱している、「企業は、財務業績などの『経済価値』を創造しながら社会的課題解決にも対応することで、非財務的な『社会価値』も創造しなければならない」とする「CSV=Creating Shared Value(共通価値の創造)」が根幹にある、AJINOMOTO独自の戦略的取組み、事業活動そのものです。
事業活動を通じ「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」といった社会課題の解決に貢献し、新たな「社会価値」を創造することで「経済価値」につなげ、それを事業活動へ再投資してさらなる社会課題の解決に貢献することが、結果として、「コーポレートブランド価値」を増大させるとAJINOMOTOは考えました。

例年実施している10カ国の広報担当者が参加するグローバル広報会議の正式名称を「ASV & Brand Communication Conference」に変え、企業ブランド価値向上に資する、ASV視点でのコミュニケーションについて考える会議であることを明確化しました。4日間開催した会議のうち一日はワークショップを実施。「コーポレートブランド価値向上を推進する上で社内外コミュニケーションが果たす役割を理解する」、「グローバルブランド調査やブランド強度(BSS)の分析結果を各国のKPIに取り込み、次年度のプラン策定に反映する」ことを目的としました。このワークショップのプログラムは、事務局とインターブランドが5ヶ月かけて開発。冒頭インターブランドが、コーポレートブランド価値向上におけるコミュニケーションの重要性について講演を行い、その後のグループワークでは、「ブランドとビジネスの関係」や「ブランド強度分析とは」、さらには「国別の課題指標の特定と施策」等について、積極的なディスカッションが行われました。参加者からは「広報部門の貢献のあり方を理解できた」と高い評価を得ました。

2017年のBest Japan Brandsランキングでは、ブランド価値が7億1,100万米ドルにまで成長。さらなる引き上げを目指し、それを達成するため非財務項目のKPIも設定しました。

SAKURA 新たな季節の到来サクララウンジの顧客体験がJALへ息吹を与える~日本航空~

国内の事例紹介

2010年羽田国際線ターミナルの新設に伴い、空港ラウンジを開発するプロジェクトが始まりました。JALグループが、JALブランドの再生を目指す過程で始まったこのプロジェクトで、インターブランドに求められたのは、従業員の士気を高めサービスを向上させるために、JALが大切にすべきことが何かを再定義し、その中心的価値を反映したブランド体験をつくることでした。
インターブランドは、JALの原点を振り返り、何を引き継ぎ何を加えていくべきかを一つひとつ検討し、新しいJALを象徴する青写真をつくることから始めました。空港ラウンジのプランニングにあたっては、利用者のフライトの前後に何があることが本当のサービスなのかを徹底的に検証し、特徴的な4つのゾーンを設定しました。「クイックに利用したい」、「仕事をしたい」、「時間をつぶしたい」、「乗り継ぎの間、身体を休めたい」という利用者のニーズにそった時間を提供することで、ビジネスクラスの新しい品質を目指しました。
プロジェクトを通じたサービスの改善とJALらしさの探求は、何よりJALで働くスタッフを鼓舞し、ブランドに再生のエネルギーを与えることができました。厳しい冬を越し、訪れる春との狭間に咲く、サクラのように。

顧客が求めるもの。それは泊まる場所ではなく、 ”体験”。~インターコンチネンタルホテル~

国内の事例紹介

新たな顧客を惹きつける、今までにないブランド体験の提供のために。顧客に応え、事業成長への投資を進めるインターコンチネンタルホテルの試み。
インターコンチネンタルは、ホテルは単なる宿泊場所ではないと考えている顧客を惹きつけたいと思っていました。インターブランドの調査によってセグメントされた新たなターゲット、すなわち、旅行経験が豊富で、好奇心があり大胆で、そして本物の体験を求めている人々に支持されるために、これまでと異なる、新たなブランドプロポジション “In the know(熟知・精通していること)”が導き出されました。それはつまり、”インターコンチネンタルは、物事をよく知っている人々、お金では買うことができない本物の旅行体験を大切にしている人々のためのブランドである”ということでした。
一方で、ブランドのリポジショニングを行っても、ビジネスの成長につながらなければ価値はありません。財務の観点も含めた統計的分析により、ホテルスタッフの応対やゲストルームそのものが、顧客の評価を左右する重要なタッチポイントであることが明確となりました。インターブランドの投資対効果分析により、これらの分野の改善は6,000万ドル以上の利益をもたらす可能性があることが明らかになりました。顧客体験を中心に据えたブランドプロポジションは、単なるコピーではなく、”リアルな”街へのゲートウェイとしてインターコンチネンタルをリポジショニングするという、本質的な価値を生み出していきました。
インターコンチネンタルが新しいブランドを提供できるようにする第一歩として、現地において、わたしたちはホテルスタッフと実際に一緒に動き、ホテルの周辺や街のさまざまな知識や情報を十分に共有し、常に顧客の視点で考えるように促しました。また、コンシェルジェに関しても、彼らの持つ知識を最大限に活かし顧客に提供する、新たなコンセプトが立ち上げられ、ホテル内のパンフレットとWebサイトの両方において、あるべきコンテンツを再構成していきました。さらに新たなブランドの考え方のゲストルームにおける展開として、スマート・テクノロジーとそれにふさわしいデザインを通じて、その街らしさやその地の独特の雰囲気を、部屋の中でも感じ取れるようにしました。
効果はすぐに現れました。ブランディングが導入された翌年には、ブランド検討率が10%増加し、1部屋あたりの収益は12%増加、株価は26%上昇しました。 リアルな指標数字によって裏付けられた事業の成長が、ブランド体験の変革の広がりとその重要性を物語っています。
“インターブランドは、核となる考え方をブランドの体験を生み出すアイコンとして翻訳し、さらにそれを実践するために、カスタマージャーニーの中のカギとなるタッチポイントに埋め込んでいったのです。” — David Anderson, Vice President, InterContinental Hotels Group

アジアン・ビューティー目覚めるアジア・マーケットで訴求するヘアケア・ブランド~アジエンス、花王~

国内の事例紹介

日本で「花王」というブランドは、「清潔」「美」「健康」と科学研究分野におけるイノベーション・シンボルです。同社は、毛髪を元のツヤのある状態に再生できる処方を開発し、その技術を特にアジアの女性に向けた新製品に応用しました。
新製品のブランド名称には、日本の女性にだけではなく、アジアのすべての女性にアピールする力が求められました。そこで、インターブランドに期待された名称は、その技術から得られるベネフィットをシンプルかつ効果的に伝える名称を開発することでした。同時に、「洗練」「自信」「自我の目覚め」「美」そして内に秘めた力強さに代表されるアジアの女性の新しい“アジアン・スピリット”を表現すること、「清潔、美、健康における科学イノベーション」といった花王の評判に合致したものであることが求められました。
選ばれた名称は「ASIENCE(アジエンス)」でした。「アジア」「サイエンス」「エッセンス」「プレゼンス」の英語を、音としての心地よさと記憶性を配慮して組み合わせた名称です。ASIENCEは2003年10月の発売以来、日本のベストセラー・ヘアケアブランドに成長しました。その人気は、今では国内にとどまらず、シンガポールや中国、タイへと広がっています。

ネガティブな感情をブランドデザインの力で一変。~マツモトキヨシ~

国内の事例紹介

街でトイレットペーパーを買うと、持ち帰る時、ちょっと気恥ずかしくありませんか?
誰もが抱くそんなネガティブな感情をブランドデザインの力で一変させることに、毎日の生活に “驚きと感動” を提供するドラッグストア、マツモトキヨシとともにインターブランドは挑戦しました。
トイレットペーパーを買うとその帰り道、何となく気恥ずかしいものです。店によっては持ち帰る際に中身が見えないようにと、大きなレジ袋に入れてくれたりします。国内最大のドラックストアチェーンであるマツモトキヨシと共に、インターブランドはこの「きまりの悪さ」を、購入者が喜んで持ち運べるような、楽しくて周りの人々からも注目されるような、素敵なアイテムに変えることを決意しました。
私たちは東京の中心地にあるマツキヨの店舗の歩道のすぐ側で、大胆なデザインのマツキヨブランドの12ロール入りトイレットペーパーを展開しました。
従来の、シングルかダブルか、何メートル巻きか、という表示の代わりに、赤ちゃん、ラジカセ、野菜の入ったバック、鍛えられた腹筋といった、見ただけでどうやって持とうかとワクワクしてしまう写真をトイレットペーパーのパッケージに採用しました。こうしてトイレットペーパーは、買った人を心を踊らせるような、気持ちまでも明るくするアイテムへと大変身したのです。

選ばれ続ける銀行であるためにお客様と地域社会のために新たな挑戦への船出~横浜銀行~

国内の事例紹介

港都横浜を擁する神奈川に生まれ、地域の発展とともに成長してきた横浜銀行は、日本の地域金融機関のリーディング・カンパニーとして確固たる地位を築いてきました。
しかし、お客様のニーズが多様化し、競合金融機関との競争が激化する中、横浜銀行が「選ばれ続ける銀行」となるためには、目指す姿や提供したい価値を明確にステークホルダーに伝えることが重要と考え、ブランディングをスタートさせました。
インターブランドは、横浜銀行の顧客、競合の顧客、行員の意識調査を踏まえ、横浜銀行が有している価値と課題を明確化し、進むべき方向性を策定しました。その方向性を行内外に明確に伝達するために、新しいブランド・シンボルとブランド・コンセプトを開発しました。さらに、ブランド・スローガン“Afresh あなたにあたらしく。”を開発し、現在さまざまなマーケティング・ツールに展開しています。
新しいブランド・シンボルは、お客様と横浜銀行が一隻の大きな船となって、新天地を目指し、力強く航行する姿を表しています。そして向かい合った2つのエレメントは、横浜銀行がお客様一人ひとりと常に向き合い、真摯に耳を傾けようとする姿勢を表しています。
横浜銀行は、2007年に新ブランド・シンボルを導入し、その後、ブランド・コンセプトを反映したサービスの実現、社内への浸透活動、対外的なコミュニケーションなど、目指す姿の実現に向けた具体的な活動を続けています。

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